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アメリカ賃貸管理業視察ツアー vol.1 vol.2 の続きです。

3日目 は、この旅で1,2を争うほど印象に残るとても良い

街づくりのお話を聞かせて頂きました。

 

9:15 インディゴ アパート視察

 

 

 

まずは、屋上の使い方を学びました。  

見えにくいですが、上に風力発電が付いてます。

 

 

そして、何気ない屋上の床。実はこの下に雨水が流れ込む仕掛けになっており、

雨水の再利用が出来るとのこと。

 

そして、アメリカのお約束 ガスストーブ!!

 

そして本日のメイン、

『街づくりの匠集団 ZGF』 で活躍する 渡邉さんのお話を聞かせて頂きました。

 日本でも『幕張若葉地区プロジェクト』や『柏の葉スマートシティ・プロジェクト』などで

ご活躍されております。

 

 

 この公演で一番関心した街づくりのポイントはコンセプトが明確にある事。

それは『活気』 そのコンセプトを基に官民協力して沢山の方が尽力されて作り上げられた街

それが、ポートランドという事が良く分かりました。

 

『日本とポートランドの違い』

 

 

渡邉氏談

ZGFが設計したパール地区の歩道空間というのは3.6m〜4mくらいの幅です。実はその空間を適当にデザインしているわけではなく、きちんと『ゾーン』に分けて考えています。
一番建物に近いゾーンを『建物隣接ゾーン』、それと反対側に『ファーニッシュゾーン』。ファーニッシュゾーンには街路樹、マンホール、ゴミ箱、ベンチなどがあったり、フラワーボールが飾ってあります。日本では建物隣接ゾーンにあたる場所に看板を置いたり、テラスを置くのは禁止されていると思うんですが、ポートランドではそれを奨励していて、いくらかのお金を市へ払うと設置することができるようになっています。1フィートが年間で約$10〜$15です。
テラスを置くことによって人がたくさん来て街の賑わいにも繋がります。そして『デザインガイドライン』によって建物1階に窓が多く設けられていて、通りの賑わいが屋内の人達の目に触れ、屋内の賑わいも外に滲み出して街全体が賑わっているように見える仕組みが整備されています。日本ではこの整備は遅れており、そういうことから日本とポートランドの一番の違いというのはやはり『デザインガイドライン』だと思います。

『デザインガイドライン』というのは日本語に訳すと『景観形成基準』というような言葉になると思うんですけど、行政と民間委員が協力し、街づくりという森の観点から作っています。何が目的かというと建物自身に街づくりに貢献・協力してもらうんです。ポートランドでは中心市街地のデザインガイドラインが整備されていて、それに沿って建物の設計がされています。つまりデザインガイドラインにのっとった設計を建築家が行い、その設計についてレビュー会議で承認をもらって、設計を進めるというのがこの街では一般的なんです。

ポートランドの場合はデザインガイドラインで建物の設計をある程度コントロールしているので、例えば建物の1階部分には窓を使うとか、窓の位置もこんな高いところではダメとか、1階部分の壁面の5割はガラスを使うとか、建物のドアはたくさん作らなくてはいけないというような細かい部分まで決まっています。

また路地にも決まりがあります。路地を作る時も歩行者に便利なように建物の配棟を考えます。60m✖︎60m街区を目一杯使った設計では建物を道路沿いに配棟することで中庭や路地が作られ、歩行者が中庭を通れたり眺められるようウォーカブルな工夫をすることが求められているので、民地の中の街づくりに対する貢献度合いがすごく高くなるんです。それが集積したあかつきには街というのは歩きやすくもなるし、賑わいも出る、というのがデザインガイドラインの趣旨になります。そうしないと日本でよくあるような通りの横が全部壁で、歩いていてもつまらないような街路空間がいっぱいできでしまい、人が街に繰り出しずらくなってしまいます。

ポートランドはワシントン州スポケーン市についで全米で二番目にデザインガイドラインを整備した街です。スポケーンは小さいので、ポートランドは中規模都市以上でデザインガイドラインを整備した一番最初の街になります。

かつての荒廃した街は、コンセプトとルールと市民の活性で蘇ったそうです。

『mixed use』というキーワードも重要
住む、働く、学ぶを集中させる。20分歩くと全てがあるエリアを沢山作る。

 

 

 

ポートランドの街づくり、流石 住みやすい街全米№1。

沢山勉強させて頂いた3日目でした。

 

 VOL.4に続く....