京都の市街地を抜け、山あいのキャンプ場に一台の本格クロカンSUVが
数分遅れで滑り込む。
車から降りてきたのは、若者(20代)。
待っていたもう一人は、定年を間近に控えたほぼシルバー(57)。
二人が選んだのは、馴れ合いのグループキャンプではない。
それは「ソログルキャンプ」。
共に過ごすが、干渉はしない。それが僕らの、暗黙のルールだ。
軽く挨拶を交わした後、設営が始まれば、言葉はもう要らない。
若者(20代)は新しく購入した御NEWのテントを戸惑いながら組み立て、
手慣れた様子でSNS用の画像を執拗に収めている。
一方、ほぼシルバー(57)は本日、3本目のビールを空けつつ、
キャンプ歴5年のこなれた感を前面に出し、
ホントは心ウキウキなのに冷静さを装い、事をすすめる。
陽が傾き、あたりが夕暮れに染まるころに今日のキャンプ飯の準備にとりかかる。
ほぼシルバー(57)が作るのは今朝自宅で仕込んできた唐揚げだ。
ニンニクとショウガのつけ汁のニオイがもう旨い… などと独りごとを呟き、
本日、6本目のビールを空けつつ、火傷に気を付けながら丁寧に揚げてゆく。
いい色に出来上がった唐揚げ、若者(20代)の方へそっと皿を差し出す。
若者(20代)は、それを自身が持参した角ハイボールで迎え撃つ。
「旨い…」 これは食べんでもわかるやつ(食べるけど)
若者(20代)のその一言に、中まで火が通っていれば大丈夫と
ほぼシルバー(57)は少しだけ、本当に少しだけ、口角を上げた。

翌朝、リーシング部エース中山氏が淹れてくれたコーヒーは最高でした。
では また・・・
